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【有限会社AbilityWave】
新聞や雑誌で、「優良企業のランキング」といった記事を見かけることがしばしばある。どんな会社が優良企業なのか、という尺度は、思いつくだけでも数多い。 株主による評価が重要だと考えた場合、「時価総額」が大きな会社は、株式市場からの評価が高い会社だと見ることが出来よう。売り上げが大きいということは、経済に占める存在感が大きいということだと考えて、「売上高」を取る方法もあるだろう。単に商品を右から左に動かしただけでも売り上げは増えるから、その企業の付加価値に着目して、たとえば「営業利益」のようなデータに着目することも出来る。これらは少しずつ傾向が違うが、大まかに言って、規模の大きな企業ほど大きな数字が出るから、企業規模に関連する尺度のグループだといえるだろう。一方、優良という言葉には質的なニュアンスも入るから、効率ということにも評価のウェイトを置きたくなる。たとえば、社員一人当たりの売上高とか、営業利益に着目する考え方もある。そういえば、国別の「先進国度合い」を比べる際には、一人当たり国民所得がよく出てくる。また株式会社の場合、株主が持っている資本に対して、どれだけ利益が上がったかという株主資本利益率(ROE)にも注目したい。 一方、「優良」という言葉の中には、「成長している」「勢いがある」といったイメージも含まれる。売上や営業利益の、過去3年といった期間の成長率、あるいは株価の上昇度合いなどを、尺度に加えたくなることもあろう。更に付け加えると、例えばお金を貸すとか、就職するといった観点で考えると、企業の財務などの安定性にウェイトを置きたくなることもある。この場合は、どれくらい現預金や換金できる資産を持っているかとか、自己資本比率の大きさとか、もちろん借り入れの少なさといったことにも、プラスの評価が置かれることになる。雑誌の記事などで見かける優良企業ランキングは、たとえば経済記者や識者などに、優良企業を順序付きでリストアップしてもらう。これを統計的に分析して、先に述べたような指標をどれくらいの比率で組み合わせると、一番この順位の説明力が高くなるかを見て項目ごとのウェイトを決め、改めてデータによって計算して順位を作り直す、といった手順を取るものが多い。回りくどい方法だとも言えるが、いわば美人コンテストで、顔、体型、ファッション、会話など、どの項目にどれくらいの採点ウェイトを置くかを決めてから、改めてランク付けを行っているようなものだと考えると、分かりやすいだろう。 こうした「優良企業イメージ」は、もちろん株価に影響すると考えていい。ところが、それでは優良企業ランキングの上位企業に投資するといいのか、というと、話はそう簡単ではない。むしろ、逆だと言った方がいいかも知れない。なぜなら、現在の評価が高い企業については、世間の好みということも含めて、株価にはプラスの評価が十二分に反映していると推測でき、今後少しであってもマイナス方向の変化があると、その反動が大きいからだ。 逆に現在問題のある会社や、注目されていない地味な会社は、株価がこうした低い評価に見合ったものであるなら、むしろ今後のプラス材料が発生したときに、株価の変化に与えるインパクトが期待できる。しかもそのプラス材料は、マイナスの要素が少し改善する、といったものでもいい。もちろん、優良企業と非優良企業の投資対象としての差は、確率的に割が良いか悪いかといった微妙なものであり、大差があるわけではない。ただどちらかと言えば、既に多くの人がほめて優良企業だと認めているような会社ではない会社の方が、株を買う対象として「率がいい」ことが多いものだ。「株式投資は美人投票だ」とはよく言われる台詞だが、実は「性格のいい不美人」(経営努力している非優良会社)を選ぶのがコツなのだ。 PR |
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